2023夏読書

恋文の技術(森見登美彦)

2023年夏読書大二弾!!

夏に読みたい個人的おすすめ小説を今回も紹介いたします。

皆さんもご存知の森見登美彦先生の作品「恋文の技術」です。こちらは、ずいぶん前になりますが、購入して、とても気に入っている本ですので、何度も読み返しています。

文月

今年の夏は暑すぎるので、涼しい家のなかで、本読んで、手紙でも書きますか。

インターネットが普及して、誰もがスマホやPCで気軽に繋がれる時代。僕も手紙を書く機会が全くなくなってしまいましたが、たまには手紙を書いてみるのもいいかもしれませんね。

物語の時期が夏というわけではありませんが、青春を感じる物語で、個人的に夏に読みたいと感じる本です。

「一筆啓上。文通万歳!」

老若男女問わず書きたまえ、送りたまえ。いざ森見ワールドへレッツゴー!!

基本情報

  • 書籍名:恋文の技術
  • 著者:森見登美彦
  • 出版社:ポプラ社
  • 発売:2009年3月
  • ページ数:336ページ

公式HPの紹介ページです

https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8000524.html

文月

僕の独断と偏見になってしまいますが、参考になればと思い、感想評価を記載しました。

あくまでも僕個人が感じた内容で、本書に対して良し悪しの判断をする物ではありません。読まれる際にはこちらの注意事項を併せてご確認願います。

読みやすさ★★★★★
手紙書きたくなる度★★★★★
コメディー★★★★
恋愛★★★★★
日常★★★★
ファンタジー★★★★★
ミステリー★★★★★
文月の感想評価

読みやすさ

森見さんの作品といえば、独特の文体で、好き嫌いが分かれてしまいますが、僕は結構好きですね。慣れるまで少し時間がかかりましたが、意外と口に出して読んでみるとリズムが良かったりします。

文月

実際全て音読してませんが、少しだけ口にだして読んでみるのもいいかもしれませんね。

ページ数が300ページ超えで、少しボリュームが多いですが、他の森見先生の作品に比べると比較的読み易いと感じます。

普段から読書される方であれば3〜4時間程度。あまり読書されない方やじっくり読みたい派の方は5時間〜6時間程度で読み終えることができるかと思います。

文月

僕はどちらかというと、ゆっくり、じっくりと読むのが好きですね〜。

手紙書きたくなる度

「手紙を書きたくなる度」なんじゃそりゃって感じですけど、この小説を読むと手紙を書いて、文通したくなってきます。

SNSが発達して気軽にメッセージのやり取りができる分、あえて不便で、面倒な手紙使って普段感じていることや想いを伝えてみると、意外と本当の自分の気持ちが見えてくるかもしれませんね。

手早くできない分、じっくりと何を伝えたいのか自分自身を見つめ直すことがきでると思います。

また、手紙を出してもすぐに相手には届きません。2〜3日かかりますが、その間に思いを馳せるのも手紙の良いとこですね。

このタイムラグから生じる事件もしっかりと描かれており、本書の面白い点の一つです。

コメディー

コメディー要素はかなり強めで、ところどころ、クスリと笑えます。主人公である守屋の先輩である大塚緋沙子とのやりとり、手紙ならではのすれ違いが個人的には印象に残っています。

守屋はどちらかというといろんな人にいじられてしまう、ちょっと隙の多い感じがなんともいい感じでした。

全体的にユーモアのある作風でコメディーの点数高めにつけています!!

恋愛

タイトルにもあるように、これは守屋が好きな人(伊吹夏子)へラブレターを書くために、文通武者修行と称していろんな人と、文通をする物語です。

はやり、ここは、最高のラブレターは完成するのか、そこが読みどころですね。ぜひ手に取って読んでいただければと思います!

じれったい。そう思うかもしれませんが、その気持ちもわからなくもない。本作の主題ですので、恋愛いは高めにつけています!

日常

手紙には、地方に飛ばされてしまった、大学院生の少し寂しい?日常生活が綴られています。その生活も振り返ってみると愛おしいものかもしれない。そう感じる場面もあります。

日常生活感満載の作品ですので、日常の度合い高めました。

文月

手紙だけで物語進めるなんて面白いのかなって最初思いましたが、そのな心配不要でした!読みやすく、心温まるストーリーだったと思います。

こんな人におすすめ

文月

個人的には、こんな人におすすめする本かなって思います!

  • 森見登美彦先生のファンの方
  • SNSの繋がりに疲弊した方
  • 暑い夏、外に出なくても楽しいことしたい方

森見登美彦先生のファンの方

これは言わずもがなって感じですが、森見先生のファンの方は必読ですね!

いつも京都が舞台になる小説が多い印象ですが、今回は能登が舞台で、京都にいる友人や先輩と文通することになります。

いつもとは一風変わった作品なので、先生のファンでまだ読んだことがない方がいらっしゃればぜひ読んでみていただければと思います!!

もちろん、先生の作品を今まで読んだことない方にもおすすめですよ。

普段特徴的な文章で、なかなか好き嫌いが分かれてしまうところですが、本作は冒頭に書きましたように、読み易いのでもしかしたらファンのかた意外でもとっつき安いかもしれません。

SNSのつながりに疲弊した方

いつでも、どこでも、誰とでも、気軽に繋がれる時代。とても便利で、寂しい感情なんて忘れられますが、それって実は孤独なんですよね。

インターネット環境を離れてしまえば一人なんてこともあり得るわけで。

また、繋がっているからこそのストレスなんてものもあったりします。最近SNSのトラブルなんかも多いですしね。

SNSで疲れた特には読書は最適です!

特に今回取り上げている本書は、手紙に関するやりとり。

いっそのこと、読んだ後に、文通武者修行始めてみてはいかがでしょうか?

暑い夏、外に出なくても楽しいことしたい方

今年の夏は例年以上に暑いみたいです。そんな中、外に出て遊ぼうものなら熱中症になって大変!だけど、楽しいことしたい!!

アニメ、ドラマや映画なんてのもいいですが、そこはあえて読書はいかがでしょうか?

普段読書しない方でも、本書はスラスラ読めますし、これをきっかけに読書沼にハマっていただけると私としては嬉しく思います笑。

本書の表現

本書は、書簡体小説といって、手紙のやり取りのみで構成されています。書簡体小説それと、タイトル「恋文の技術」から手紙の書き方の指南書なのかと思いますが、れっきとした小説です。

主人公の大学院生である守屋一郎が想いを寄せる伊吹夏子へラブレターを送るべく、文通武者修行をするため、友人、先輩、家庭教師で世話をしていた少年や妹に手紙を書くという内容です。

相手からの返答は作中に出てきませんが、守屋が書く内容がしっかりとつながっており、相手がどのような返答をしてきたのか想像をかき立てられ、とても読み応えのある作品だと思います。

書簡体小説

中世フランスにピエール・アベラールとエロイーズの往復書簡がモデルとなって、小説の一つの形式として広がったみたいです。日本では太宰治や三島由紀夫の本がありますが、あまり普及していないみたいですね。

日本における書簡体小説の例

太宰治

  • 風の便り
  • パンドラの瓶
  • トカトントン

三島由紀夫

  • 三島由紀夫レター教室

村上春樹

  • カンガルー通信
文月

始まりはフランスだったんですね!

書簡体小説は確かにあまり書店でも見かけないかもしれませんね。有名作家さんが過去に書いているみたいなので、今度読んでみたいと思います!

手紙の良さ

皆さんは、手紙最近書いていますか?

僕は最近、すっかりすまあとふぉんやぱーそなるこんぴゅーたーを使うようになってからすっかり書かなくなってしまいました。

さらに、最近特にSNSが発展して、気軽にいつでもどこでも誰とでも繋がることができる時代になりましたね。

一人でも寂しい思いをすることが少なく、とても便利で良い時代になったと思う反面、本書を読んで、手紙の良さも感じるところがあります。

文月

僕が感じた手紙の良さは2つあります。

感情が伝わる

これは、あくまでも手紙の紙限定になってしまいますが、手書きだと、書いている時の感情というか気持ちというか、そういうのって伝わってきますよね。

元気がある時だなとか、普段整った時を書く人が、少し崩れていたりすると何かあったのかなとか感じ取れるところは色々あると思います。

また、受け取る側としても、例えば、親元を離れてから親から食べ物と一緒に送られてきた手紙みて安心することもありますよね(体験談でした)。

大切な気持ちを面と向かって伝えることが難しい、恥ずかしい時に手紙を使って見るものたまにはいいのかなって思います!

届くまでの時間を楽しむ

手紙はメールと違って、届くまでにどうしても数日かかるので、その間相手にどう伝わったのか、どんな返事をもらえるのかワクワクする時間があると思います。

僕はかなりせっかちな性格なので、その間ヤキモキしてしまうかもしれませんが、たまにはそういったもどかしい気持ちになってみるのもいいかもしません。

普段SNSなどで常時誰かと繋がっている時代、あえて断ち切って、人とのつながりのありがたさを感じてみるのはいかがでしょうか?

最後に

文月

いかがでしたでしょうか?

本を読んでいて手紙を書きたくなってきました笑。
ラブコメ要素もありますが、森見先生らしい、渋さというかなんかずれている感じが癖になります。

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